兵庫県西宮市の小児科・アレルギー科

てらしまこどもクリニック|西宮市|小児科・アレルギー科・予防接種 

てらしまのひとり言

型は古いが、しけには強い!?

鳥羽一郎さんの「兄弟船」の一節ですが、ご存知でしょうか?当院では、開院当初からアロカ株式会社さんの汎用超音波画像診断装置(=エコー検査装置)を導入し、時々診断に利用しております。音波を出す探触子(プローブ)と呼ばれる部分を皮膚に押し当てて検査を行いますが、このプローブを代える事で腹部の臓器や心臓を観察します。――――超音波検査については、<<こちらをクリック>>して下さい。説明のページへリンクしております。



背中が痛いと訴える子どもさんの腎臓を調べたり、あまりにもぐったりしている子どもさんの場合、ウイルス性心筋炎からの急性心不全を疑って、心臓の動きを調べたりします。中でも、子どもの急な腹痛で緊急性がある腸重積症の診断にはとても有用です。腸重積症については、<<こちらをクリック>>して下さい。説明のページへリンクしております。

 

今年の4月は非典型的な腸重積症が2例ありました。❶1例は4歳7か月の男の子で周期的に起こる腹痛でした。前日に救急で浣腸をしてもらい反応便あり。しかしながら、帰宅後も10分から15分毎に腹痛が出現し、30秒から1分間ぐらい続いて、夜間眠れないとの事で当院を受診。当院で点滴を開始して様子を見ました。点滴中も10分に1度ぐらい腹痛を訴えて、30秒から1分間ぐらい続く事を繰り返していました。念の為、点滴終了後にもう1度浣腸を行ったところ血便が出ました。――当初、腹痛のみでしたがこの時点で腸重積症を疑って、西宮市立中央病院へ紹介しました。発症から24時間を越えていたのですが、開腹手術にならずに高圧浣腸で整復できたとの事です

3歳10か月の男の子です。3日前から腹痛を訴えていたが嘔吐なし、血便なしで、昨日朝から痛みがひどくなり、1日中痛がって泣いていたとの事で、当院を受診されました。子どもの腹痛では、ほとんどの場合下痢か便秘なので、浣腸を行ったところ15分ほどトイレに座るも排便なし。出血もなし。しかし、痛みは周期的に繰り返すとの事で、前回の事もあるので、今回はすぐに腹部超音波検査を施行してみたところ、腸重積症に特徴的な所見が認められました。今回も西宮市立中央病院へ紹介し、発症から24時間を越えていたのですが、開腹手術にならずに何とか高圧浣腸で整復できたとの事です

子どもの腹痛の見極めは医療者でも難しいのですが、当院のこのエコー装置は時々良い仕事をします

兄弟船は 親父のかたみ
型は古いが、しけには強い」 どうでしょうか?当院のエコー装置は兄弟船のイメージに合うでしょうか。

2019年10月23日